能登半島地震の現地報告(5)

– 2024.2.6 –


能登半島地震の取材中、友人たちから託されたお金を使って被災した方々に必要だと思われるものを購入し、現地へお会いした方などへお渡ししました。
一番最初はこれまでの経験から必要だと思ったものを前もって購入しましたが、現地に到着以降は基本的に要望があったものを届けるスタイルにかえています。

私が取材で訪ねたところは主に在宅被災者と呼ばれる方々で、その方々に教えてもらうかたちで近くの小規模避難所(自主を含む)に立ち寄ることがほとんどでした。
在宅被災者や自炊をしている小規模避難所では、断水のために使い捨ての発泡食器の要望が高く、お渡しして無くなるたびにホームセンターなどで追加購入し、車に積んでいました。
避難所で調理や配膳を担当する女性たちに話を伺うと、器にラップを被せて使っていても同じ食器を使い続けることには衛生面からも抵抗があり、ある程度汚れたら捨てられる方が便利で安心とのこと。
器にラップを被せるのは断水のために洗浄が楽ではないからですが、小規模避難所で食事を担当する方にことさら不評だったのは支援物資のレトルトカレーでした。
ラップを被せてもカレーで器が汚れることがあり、油やカレーがついた食器を洗うのが大変だというのが理由です。
そのためにレトルトカレーが支援物資で届いたけれど、提供できないと話す担当者もいました。
これは私が出会った方から聞いた話なので、カレーを提供した避難所もあるとは思いますが。

使い捨て食器の話に戻ります。
避難所では使い捨て食器のニーズが高く、すでに十分な量があっても「もらえるならば欲しい」と話す方もいました。
ただ発災から日が経つにつれて、子ども連れの方が別の場所に避難したり、比較的若い方が被災住宅に移られるなどして高齢者ばかりになった避難所もあり、少しずつ小さな食器を求められることが増えていきました。
高齢者の割合が増加した避難所では、白米を食べる量自体が少なくなり、「どんぶり大」だと持て余すと指摘されたのです。
大は小を兼ねますが、ほんの少しの白米を盛り付けるのに「どんぶり大」を使うのがもったいないとのこと。
避難所にいる年齢構成の変化によって、求められる食器のサイズが変わっていくことを知ったのは、今回得た気づきのひとつです