不在者投票

– 2019.7.17 –

本日、入院している病院で参議院選挙の投票を済ませました。
不在者投票を実施している指定病院であれば県外でも投票できることを知り、住民票を登録している徳島市の選挙管理委員会へ前もって連絡。
投票用紙等を病院へ送付してもらうことで、有権者としての義務を果たせました。
そのため佐世保市内での投票でも選挙区投票は「徳島・高知」で変わらず、徳島県と高知県がひとつの選挙区となって2回目の国政選挙です。
選挙区での立候補者は4名。
人口の多い都市部と違い、地方では与党か野党の選択しかほぼできず、議員として選出されるのもひとりです。

一方、比例区投票は全国どこで暮らしていても多様な選択肢から候補者もしくは政党を選ぶことができます。
今回の参議院選挙では、長崎県の石木ダム事業に反対の立場から、同計画の見直しを求めている候補者に一票を託しました。
石木ダムの事業主体は長崎県ですが、事業認定などの〝お墨付き〟を与えたのは国であり、国会でもその判断が適切だったかどうかを議論することは、とても重要だと考えているからです。

こちらの図は佐世保市水道局の実測値をグラフにしたもので、将来予測も佐世保市によるものです。
佐世保市と長崎県は実測値から大きく乖離した予測値を見直すことなく、いまも水が必要だとして石木ダム事業を推進し、予定地に暮らしている13世帯の家屋や農地を強制収用する準備を進め、長崎県収用委員会は行政代執行が可能となる裁決を下しています。

佐世保市も他の地方都市と同じく、人口減少による問題や課題を抱えています。
長崎県や石木ダムの立地自治体である川棚町も例外ではありません。
税金は本当に必要な施策や対策、高齢者福祉や子育て支援、老朽化したインフラ整備などに使うべきで、事業目的が消失したダム建設に投じるのは〝無駄遣い〟でしかないと思います。

石木ダムは半世紀前に立案された公共事業であり、当時、工業団地の誘致活動をしていた長崎県が工業用水を確保する目的で計画したものです。
その後、誘致活動は頓挫。跡地にできたのが、いまのハウステンボスです。
それでも長崎県は計画を見直さず、目的に治水を加えて事業を継続。
現在の中村法道知事も石木ダム推進の立場を堅持し続けています。

石木ダムの予定地となった石木川のほとりでは、13世帯の方々がそれぞれの生活を営んでいます。
なかには3世代同居の家庭もあり、小学校へ通う児童もいます。
ここではどんな時であっても計画反対の意思を示し続けていないと〝普通の暮らし〟ができず、全世帯がダムの見直しを求めています。

様々な事情や考え方から長崎県による補償と引き替えに、石木ダムの予定地から別の地域へ移り住んでいった方たちもいます。
地域を守っていこうと励まし合い、集落を離れる寸前まで「ダム反対」の思いを共有していたと聞きました。
石木川のほとりに暮らす人たちは、離れていった人を悪く言うことはありません。
彼らもまたダムに人生を翻弄された被害者だと思っているからです。

人生のほとんどをダム計画によって翻弄され、反対の意志を示し続けながら、その結末を知ることなく多くの方が亡くなっていきました。
その悔しさや辛さをいまの子どもたちに背負わしてはいけないと、石木川のほとりに暮らす人たちは、日々、ダムの工事現場へ足を運び、ここで生きたいと声を上げ続けています。

もう終わりにしましょう。
次世代のため、いまを生きる人たちのために、これまでのやり方を改め、みんなが幸せを感じられる社会にしていきませんか。


今月21日は参議院選挙の投票日。
身の回りにある疑問、不満、喜び、共感…。
一票を託す動機はなんでも構わないと思います。
投票がまだ済んでいない有権者の方は、ぜひあなたが願う未来に一票を投じてください。